hmaa   株式会社森山博之設計事務所
hiroyuki moriyama architect and associates Inc,
 

津山の社員寮



~部分をつむぎ、大地のそばに~


岡山県津山市
条里(8世紀の土地区画整理)の痕跡が残り、碁盤目状に並ぶ道や水路が多く見られる地域です。計画地周辺は田畑や民家のほか、工業団地、大型商業施設などが混在しています。民間企業の社員寮として、個室(29室)、研修施設、余暇スペース(”車いじり”やプラモデルなどのためのスペース))などで構成されています。

国際的に活躍する電気配線機器メーカーである建築主は、勤務時間外の社内イベントやサークル活動等が充実した社風を有していたため、社員寮もそうした活動的な社風をサポートできるよう計画しました。料理や趣味の活動を寮内でも行えるよう計画するとともに、そうした活動の賑わいが、寮内でシームレスに伝播するよう連続性の高い共用部となるよう工夫することで、マンションタイプの社員寮とは異なる、社員寮ならではの在りようを目指しました。

路地状空間を内外に散りばめ、料理や趣味のアクティビティ、坪庭などを関係づけることにより、寮生活を通じた隣人との交流や季節との触れ合いを楽しむ事ができるよう計画しています。
また、全体から部分を計画するのではなく、生活感溢れるコンパクトな場所を内外に散りばめ、それらを互いに関係づけた結果として全体が派生する、そのような社員寮の在り方を思索しています。
多くの場所を一箇所に集約・散在させた上で、光庭を建物内側に深く貫入させることにより、内外の風景や季節の移ろい、生活の営みが多層的に重なり合い関係づけられる場所を実現しています。
入居者は季節の移ろいに寄り添い、他の入居者と多様に交流を重ねながら日々の生活を送ります。

通常は個室内で行わることの多い、調理や飲食、洗濯、趣味のアクティビティなどを他の入居者とシェアできるよう、2,3戸ごとに個室の外に別途セミプライベートな場所を配しています。キッチンや飲食スペース、各入寮者のための飾り棚、洗濯スペースなどが付随しています。プライバシーの観点から個室ではなく、かと言って空間サイズや動線上、完全な形での共用部でもない、用途上も廊下のようでもありくつろげる部屋のようでもある。個室の延長のような曖昧な場所です。この場所を介し日常生活が個室から共用部へ滲み出してゆく、そのような曖昧な隣人との距離感や、連続性を帯びながら延び広がる生活領域を意図しています。

<構造>
在来木造を採用しています。
建物外周部に配された個室部分で地震時の水平力を負担することにより、中央部において開放性の高い無柱空間(200㎡)を実現、最大8.1mのスパンを540mmの梁(集成材 105×540)と、一部φ60.5のスチール柱で架構しています。

<環境>
外構床を砂利敷とし、雨水を土壌に浸透、河川への負担を軽減させています。
植樹により周辺環境への景観的親和性に配慮するとともに、土地の保水力にも貢献しています。


<厨房配置>
セントラルキッチンを採用せず、小規模キッチンを個室近くに分散配置することで、調理という要素が日常の一部として生活の身近に感じられるよう計画しています。1階中央部 多目的室にて大人数の会食が行われる際は、2か所の共用部キッチンに加え、個室用キッチン2か所をサポートキッチンとすることで人数対応を行っています。


<計画概要>
敷   地:岡山県津山市
敷地面積:2,730㎡
用   途:社員寮(寄宿舎)
床面積  :1,370㎡
構    造:在来木造 地上2階、地下0階




~Weaving diverse parts, dwelling with the ground~

A company dormitory with 29 rooms to be built in Tsuyama City, Okayama Prefecture.
In addition to private rooms, it contains training facilities, recreational space, etc.

The area surrounding the dormitory is a mixture of agricultural, residential, and industrial properties. Many streets and irrigation canals are arranged in a checkerboard pattern, which are said to be the remnants of Jori-sei (an ancient land allotting system prevalent in the 8th century with a grid pitch of 108m according to the official municipal history book).

The building is designed to secure privacy while encouraging interaction among tenants by adjoining a toilet and bathroom to each room and placing other functions in common areas.

In addition, a semi-private area, where personal items can be stored, is provided adjacent to the dwelling units that operates as an extension of private rooms to create a gradual transition between the private and common areas. This area also includes the kitchen, wash basin, etc., to be shared by the tenants.

The exterior common areas, such as the yard and the light court in front of the private rooms, are designed in terms of functionality and scale to accommodate various daily activities and also to maintain continuity with the common space in the interior.



< data sheet >
Architect:hiroyuki moriyama architect and associates Inc.
Location:Tsuyama-city,Okayama prefecture
Area:2730sqm
Use:company dormitory
Structure:timber 2-story
Total floor space:1370sqm
Year:2019.